シニアが好きな料理とステレオタイプ

ライフスタイルレポート①

シニア層が好きな料理の変遷

シニアの好きな料理と言えば、刺身や焼き魚などの魚系、そばや和食といったさっぱりした料理が好きな人が多いというイメージがあるのではないでしょうか。もちろんそういう人もいますが、シニアの好きな料理がこの2000年~2020年の間で大きな変貌をとげています。

例えばピザ。シニアが敬遠しそうな代表料理ですが、00年「ピザ」を好きな人は13.2%でしたが、20年にはなんと42.9%(20年)に急増!ピザですよピザ。次に「焼肉」。こちらも好きな人が40.9%(00年)→60.9%(20年)に増加。そして、「カレーライス」も好きな人が50.9%(00年)→68.4%(20年)へと伸びています。これが今のシニアです。さっぱりには程遠い、油がギラギラしてまぶしい感じの料理を愛好するシニアがすごい勢いで増えています。

出典:生活定点2020

シニア層が好きな料理はさっぱりメニューという思い込み

一方で、シニア層が好きそうなさっぱりメニューの定番と言えば「豆腐」「納豆」「漬物」「酢の物」がありますが、これらにも異変が起きています。私が子供の頃、夏休みに帰省した時、おじいちゃんがよく食べていた記憶がありますが、今、シニアの間で食べる人が絶賛、減少中。

どれくらい減少しているかと言うと、こちらも2000年と2020年で比べてみましょう。「豆腐」を好きな人が77.0%(00年)→59.6%(20年)に、「納豆」を好きな人が62.6%(00年)→52.4%(20年)に、「漬物」を好きな人が74.2%(00年)→53.4%(20年)に、「酢の物」を好きな人が61.6%(00年)→47.6%(20年)に減少。

出典:生活定点2020

「え?なんか思っていたのと違う」て感じた人も多いのではないでしょうか。

「え?」と思うシニアの食の実態

もうひとつ「え?」と思うシニアの食の実態があります。それはお米の食べ方。なんとなくシニア層ってお米を食べるイメージがありませんか?そのお米も大きな変化に直面しています。2000年当時、「お米は1日に1度は食べないと気が済まない」という人が79.2%いました。それが2020年になると49.6%にまで急落。シニア層の二人に一人は別に1日お米食べなくても大丈夫っていう状況です。シニアのお米離れが進行中です。

ステレオタイプによるシニアの嗜好の思い込み

さて、なぜこれらの情報に対して「え?」という気持ちが起こるのでしょうか。それはステレオタイプと呼ばれるモノに起因します。「A型は几帳面」とか「美人は性格が悪い」というように人間には情報処理を単純化して認知的負荷を減らすために物事をカテゴライズする癖があります。それがステレオタイプと呼ばれるもので、そのカテゴリー化された意識と異なる事が起きると、「え?」という驚きが起こります。メディアで「若者のクルマ離れやお酒離れ」などが取り上げられますがこれも同じです。「若者だからクルマは好きでしょう」とか「若者だからお酒飲むでしょう」といったステレオタイプがあるからです。

ステレオタイプはマーケティングチャンス!

このステレオタイプの面白い特徴は、そこに明確な根拠があるわけではなく、【なんとなく世間が思い込んでいるコト】であるところです。そして、実はそこに大きなマーケティングのチャンスがあります。「〇〇ってこういうモノだよね」となんとなく思い込んでいるステレオタイプを打破できれば、「え?」と驚きを作るコトができ、商品は高い確率で注目され、売れる確率が高くなるからです。このあたりの話はまた別の機会でできればと思います。

自分の身の回りで「ステレオタイプの意識」になっているものはないか探してみましょう!あなたが担当している商品でそれが打ち破ることができないかを考えてみてはいかがでしょうか。

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